
秋も深まってきました 皆様お元気でしょうか?
駄犬に馬鹿にされている役柄のグアン兄です。 (写真右側の男です。)
久しぶりの代筆ですが、急に言われても書く内容なんてございません。
美術館にいった時の感想をこの間友達に送りましたのでそれで勘弁してもらおうと思います。
(写真左側の男です。)
駄犬も「いいよ」といっておりました。
(そんな後姿です。)
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最近水の生き物に嵌っている俺は亀が泳いでいるレストランが東中野にあると聞きつけ、さっそく出かけることにした。
自分の趣味を人に押し付ける悪癖を持っているから、もしも面白ければ職場の女でも誘い一緒に連れてくるつもりだった。
性格上の問題で事前の下調べをしないで人を招待することは無い。
東中野のレストランは小さなカフェのようなつくりで、ランチはオムライスとステーキしかなかったが、確かに大きめの水槽に優雅に大亀が泳いでいた。
もしかして亀ではなくてスッポンかもしれなかったが、泳いでいれば別に何でもよい。
時折えさをくれとでもいうように口を開くのがなんとも可愛い。
注文したステーキも肉とライスのみで、そこに店主のこだわりが感じられて好感が持てた。

それにしてもわざわざ千葉から東中野まで出てくるからには口を満足させるだけでは寂しい。
林芙美子記念館でも見物してから帰ろうかと5分ほど歩いているうちに道に迷った。
駅がどちらかもよくわからなくなったが、きょろきょろしているうちに水が張っている大石を見つけた。
ここに小魚を入れて水草を浮かべればなんとも風情があるだろうとしばし手を水に浸した。

こんな小粋な石池とでもいうのだろうか、置いている敷地の建屋には
「東京黎明アートルーム」と看板がかかっていた。
アートルームとは聞きなれぬが、小さな美術館のようなものだろう。
林芙美子はやめてちょっと覗いてみる事にした。
こういう小さな美術館は当り外れが多いことは知っているが、当たったときのお得感はなんともいえない。
入場料を1000円以上取りながらくだらぬ作品しかおかない、といえば言い過ぎになるが、
どう考えてもマニアしか喜ばない美術館もある。
(名誉毀損で訴えられるのが怖いから名前は出さぬが。)
もっとも入場料が500円以上だったら入るつもりはなかったが、400円であったから何の問題も無い。
館内に入ってパンフレットをみると「仏画と白い焼き物」とある。
白い焼き物といえば白磁だろうか、あえてなんのてらいも無く「白い焼き物」という言葉を選ぶところ相当な自信が見受けられる。
これで地元の小中学生が作った白粘土の焼き物が置いていたら、俺は自分を許せないだろう。
だが、そんな不安は杞憂だった。
受付を済ませると目の前にトーラナが鎮座していた。
トラーナといえば大体2000年前くらいの作品か。
前菜としてみればまず合格、これから何を見せてくれるのか楽しみにさせてくれる。
まず二階から見ることにしたが、いきなり目の前が開けそこに現代的な茶室があった。
五色の障子が張っており、モダンな雰囲気をかもし出している。
この空間はなんとも贅沢である。
この規模のミュージアムなら所狭しと作品を置きたい、しかしそれをすると雑然として空気を壊す。
この配置を設計した建築家は只者ではない。
次の展示室に「紫紙金字華厳経断簡」と「蝶鳥下絵法華経」の一部分が展示されていた。
円教である華厳経と法華経を選択し展示しているのが仏典マニアとしては足を止まらせる。
しばし奈良時代と平安時代の仏教に思いをはせた。
歩を進めると目をひきつける書が3幅並ぶ。
特に「見神」の二文字は意味を探りながらも書そのものの芸術的な味わいが存分に楽しめる。
書に素養があればこの3幅の書の前で時を忘れることができるだろう。

二階を一通りみて大いに満足した俺はいよいよ白い焼き物を味わいに、階段を下りた。
1F展示室の中央に 白磁壺が細かい説明を抜きにドンと展示してあった。
とにもかくにも先入観なしにまずは味わえとばかりに360度から閲覧できるようにしている。
思わず二周して見てしまった。
何に使われていたのかまったくわからぬし、18世紀の朝鮮白磁がどのレベルにあるのかもわからぬ。
説明どおり、まさに白磁壷。
腕を組み暫し魅入った。
その他にも唐代、宋代の白磁がお前に分かるかとばかりに目白押しだ。
陶器の良し悪しはよく分からぬが、熱心に鑑賞せざるをえない陳列だ。
時間があればあと一時間はこの空間にいたかったが、あいにく柏で女と会う約束をしている。
後ろ髪引かれる思いで立ち去った。
この美術館は小なりといえども細部にいたるまで技巧を込められている。
悪くないどころではない、よほどの数奇者でも唸ってしまうだろう。
しかも毎月展示物が変わるというのが足を運ばざるを得なくさせる。
(来月のパンフレットを貰った。)
唯一の欠点とすればこの美術館が開いている時間が毎月15日間だけというところか。
俺は道に迷いながら東中野駅に向かった。
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小さくても趣向の凝らしてある美術館って素敵ですよね BYグアン兄